【第三位】村下孝蔵さんロック魂炸裂「北斗七星」歌詞の意味や世界観を解説・鑑賞!
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ここでは、村下孝蔵さんの有名な曲・ヒット曲以外でもっともっと注目されるべき楽曲を紹介しています。
今回取り上げる「北斗七星」は実にロックです。
村下さんといえば基本的に哀愁たっぷり情感たっぷりのフォークソング系列と理解される場合もありますが、本当は誰よりもロック少年なのです!
- 参考:村下孝蔵さん楽曲解説特集🎸
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当サイトは非公式のファンサイトであり、ファンの皆様がご自身なりに楽しめる場を提供することを目的としています。同時に、村下孝蔵さんの全楽曲、とりわけその歌詞の意味や世界観を解説することを主たる目標に掲げています。
(⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら)
ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。
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【第三位】村下孝蔵さんロック魂炸裂「北斗七星」歌詞の意味や世界観を解説・鑑賞!(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)
個人的な楽曲の解釈・鑑賞の仕方にならざるを得ませんけれど、管理人なりに全力で取り組みましたので、皆様が村下さんの楽曲を別な視点から楽しむ参考になることだけは請け合いです☆
下部に歌詞全文を用意しました。適宜ご利用くださいませ。
- 🎵 当記事の著者について
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赤い屋根の家に住みたい
小高い丘に建ってる
冬の空 星座なら 君と僕が
寄り添って窓ごしに見ていたい
解題
村下さんがかつて通ったという喫茶店『赤い屋根』がメインのモチーフとされる本楽曲。
伸びのあるエレキサウンドが響き、ロックとさえいえそうなパワーのある導入が印象的です。
男女が星空を見上げながら、これからの二人に思いを馳せています。
将来は外国へ旅をしたり、見たこともないものを一緒に見たり、赤い屋根の家で幸福に過ごすことができるのでしょうか。
さらには素敵なドレスを着て舞踏会で踊る……
そのときを夢見て、二人は互いの指をからめます。
君のぬくもりと僕のぬくもりが
打ち消し合って なぜか冷たい
二人分の愛情、体温を含んでいるはずのつないだ手は、どうしてかぬくもりを分かち合うことができず、冷たく感じられてしまいます。
ここは想定されている情景が明確ではありませんが、この二人は将来一緒になれないことが確定している間柄なのかもしれません。
あるいは、もはや離別することが明らかな状況にあるのでしょうか。
流れ星 願い事かけるまに
遠くへ 遠くへ 消えていく
闇夜なら寂しくて 愛おしくて
抱き合えばもっと悲しい
ここでも「抱き合うほどに悲しい」というアニキの名言(?)、洞察(?)のようなものが現れてきます。
もちろん、二人でずっと過ごしていくことを流れ星に願っているのですが、この二人はそれが叶わないことを知っているという風情ですね。
元も子もないツッコミですが、なぜ村下孝蔵さんはこれほど悲しい歌を唄うのですか……?
二人は過ぎ去った流れ星を背中に感じながら、お互いに見つめ合います。
眼と眼を見つめあえば
互いの顔が映る
君の瞳と僕の瞳が
海になり波にさらわれる
しかし、深く見つめ合うその瞳に映るのは、自分自身の顔でした。
自分が背負っている運命なのか、自分の心の痛みなのか、逃れようのない自分の何かを見せられる。
愛する相手の瞳の中にそれを見せつけられる様子。
お互いにこのことを感じるがゆえに、お互いの瞳は海にもなり、波にもなり、二人を流し去ってしまうのです。
この部分は少し映画的な描き方ともいえそうです。
冬の空 星座なら 君と僕が
寄り添って窓越しに見ていたい
そのような関係性にあることを、二人はよく分かっているのでしょう。
このひとときだけは北斗七星を一緒に眺めることにして、そしてこの星たちを心の羅針盤として、かけがえのない時間をかみしめているのです。
聴きどころ
なんといっても、イントロのドラムとエレキギターの力強さでしょう。
この力強さが全編にわたって継続して、楽曲の題材をさらに高めています。
村下さんの中ではかなり明るい曲調の部類に含まれると思いますが、上で確認したように、この曲は感情的にだけでなく、もっと大きなところで如何ともしがたく悲しい内容を歌っています。
しかし、曲調のおかげでその悲しさも前向きに受け止めることができる。
だからこそなおさら悲しいという……。
このパターンもアニキあるあるです。
ライブバージョンでは、アニキが待ちに待ったエレキをビシバシ弾いています。
気合いが入りすぎて、観客の目前までステージ上を動き、両脚を大きく開いた仁王立ちで演奏する姿も。
その後でマイクに戻るのが歌い出しギリギリになって、ちょっと慌ててしまう(え? そんなことない?)というお茶目さも見ることができました。
管理人の感想(あとがき)
もともとさほど注目していなかった楽曲なのですが、ポップで耳にもよくなじむので、再生回数は多かったです。
聴き込むうちに、歌っている事柄の意味合いを味わうことができるようになってきて、この曲もやはりしびれましたね~。
ここまでランキングに挙げた2曲もそうなのですが、とにかく普通の情景や言葉遣いしかしていないのに、ここまでいろいろなことを想起させるのはさすがとしか言いようがありません。
逆説が上手なところもあるのでしょうね。
「ぬくもりが打ち消し合う」とか、物理的にそんなことありえないじゃん~~とも思えますけど、心ではすごく分かる気がしませんか??
ぜひ聴いてみてください!
(付記)隠れた曲ランク
本楽曲も、ファンになって少し時間が経ってから出会う曲のような気がします。
当初の収録アルバム『花ざかり』からは「少女」がメインにシングルカットされていて、そちらは比較的有名な曲ですね。
管理人の手元で確認しただけですが、全曲集『哀愁浪漫』以外では、村下さんが亡くなった年に発売された『同窓會』に収録されたのみなのですね。
それ以降のベスト盤やコンピレーションアルバムには含まれていません。
とてもすばらしい楽曲なのに、これは意外でした。
隠れた曲ランク=5
まとめ
今回は村下孝蔵さんのロック炸裂曲「北斗七星」を解説してまいりました。ぜひ皆様もご自分なりの解釈で楽しんでみてくださいね☆
他の楽曲解説もご覧になりたい方は、歌詞全文下部↓のリンクへどうぞ。(隠れた名曲ランキング直近の解説楽曲は「ロマンスカー」でした)
北斗七星【歌詞全文】
赤い屋根の家に住みたい 小高い丘に建ってる 冬の空 星座なら 君と僕が 寄りそって窓越しに見ていたい 世界地図広げて 指でさす 見知らぬ異国の舞踏会 華やかなドレス身にまとい踊る 幸せな二人を夢見て 手と手を合わせてみる 指と指をからめて 君のぬくもりと僕のぬくもりが 打ち消し合って なぜか冷たい 流れ星 願い事かけるまに 遠くへ 遠くへ 消えていく 闇夜なら寂しくて 愛おしくて 抱き合えばもっと悲しい 眼と眼を見つめあえば 互いの顔がうつる 君の瞳と僕の瞳が 海になり 波にさらわれる 赤い屋根の家に住みたい 小高い丘に建ってる 冬の空 星座なら 君と僕が 寄りそって 窓越しに見ていたい 寄りそって 窓越しに見ていたい
(作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生ー1984年12月8日)
関連記事ーその他楽曲解説など
ここまでお読みくださってありがとうございました!
村下孝蔵さんには他にも素敵な楽曲がたくさんあります。
当サイトでこれまで取り上げた楽曲を改めて掲げておきますので、お時間のあるときにぜひ遊びにいらしてくださいね
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