村下孝蔵さんの【砂の女】は魔性の女?歌詞の意味・世界観を解説&鑑賞

今回もまたファンの方でなければなかなか聴き込まないないであろう「砂の女」を取り上げます。
アルバム『陽だまり』の冒頭曲ですので、どなたも通りすがってはいることでしょう。
しかしいつも通っている道でも、風景は案外覚えていないもの。
いつものように、管理人のひとつの試みとして、ここに解説と鑑賞を行ってまいります!
- 参考:村下孝蔵さん楽曲解説特集🎸
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(⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら)
ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。
↓↓↓
村下孝蔵:隠れた名曲【13曲】ランキングカテゴリー(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)
管理人なりに全力で取り組みましたので、皆様が村下さんの楽曲を別な視点から楽しむ参考になることだけは請け合いです☆
下部に歌詞全文を用意しました、適宜ご利用くださいね。
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砂にまみれた長い髪
洗い流した海の音
解題
どこか不穏な気配も感じさせるイントロからスタートする本楽曲。
タイトルのせいか、他に人の姿が見えない海辺に、女性が独りたたずむイメージが容易に浮かんできます。
女性は何かに打ちひしがれ、砂浜に倒れていたのでしょうか。
それゆえ細かな硬い「砂にまみれた」女性の「長い髪」を、「洗い流した」静かな「海の音」が印象的なのでしょうか。
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海にドボンしたほうが早かったのではないか?
打ち上げられて濡れている
壊れた舟は僕の胸
けれど、その場には「打ち上げられて」半身だけ「濡れている」ものがあります。
女性と対置される男性の身体、あるいは心と考えられるもので、それを「壊れた舟は僕の胸」と表しています。
すなわち(当たり前かもしれませんが)、冒頭から村下アニキばりばりの比喩表現だったのですね!
二人はかつて恋をする仲であり、その関係が終わっていることが、ここまでのわずかなフレーズで描かれているのは圧巻でしょう。
始まりと終わりだけならば
大人の恋をしたよ
もはや村下さんお得意の領域ですが、二人は互いに知り合い愛情を育む「始まりと」、幾多の試練を乗り越え、最後は乗り越えられずにしまう「終わりだけならば」、非の打ち所のない「大人の恋」をしました。
馴れる前は互いに気遣い、全部知ったあとでも、お別れに向かえば互いを気遣う。
大人の喜びも充実も、切なさも辛さもいろいろに入り混じった様子です。
甘く静かな時の波に
おぼれかけたのさ
流された 僕一人が
ところが、これまた一般的にもありがちとされることですが、大人だったのは女性のほうだけなのかもしれません。
こんな相手がこの世にいるなんて……と「甘く静かな」関係の中で過ごす「時の波」に、男性はどこまでも「おぼれかけたのさ」。
そうするうちに、たとえば友人や知人たちはそれぞれなりの人生を生きていくなか、この関係の居心地に「流された 僕一人が」そこにいました。
あきらめたような海風と
冬に静かに沈み込む
五線紙通りの旋律で
夜と語るさ 一人きり
季節は進んでいて、まるで「あきらめたような海風と」ともに「冬に静かに沈み込む」自分に気付かされるようでした。
一緒にアドリブやアレンジを加える相手もいないまま、「五線紙通りの旋律で」男性は「夜と語るさ」。
「一人きり」で奏でるメロディは、隣に誰かがいる場合とは全く異なり、風と波の音にただ呑み込まれていくことでしょう。
始まりと終わりだけならば
大人の恋をしたよ
強く大きな海の底に
おぼれかけたのさ
もしこの女性との関係が「始まりと終わりだけ」だった「ならば」、きっと二人はより浅い、いかにも「大人の恋をしたよ」と知人に語ったかもしれません。
しかし実際は他の何をなげうっても……と思えるような関係だったため、その「強く」引き込む魅力のある「大きな海の底に」、少なくとも男性は「おぼれかけたのさ」。
したがって、
流された僕一人が
助かった君一人が
と冬の海を前にして、男性は自分との関係から砂のように儚く姿を消した女性を想うことしかできないのです。
大変詩的に仕上がった作品で、いわばありがちな男女の関係を美しく昇華させた一曲だといえるでしょう。
聴きどころ
サビ、あるいはサビの導入部分の歌詞がシンバルドラムと照応しているあたりは、どこか劇的な、ちょっと大げさな風味も感じさせますね。
男性が海の底におぼれていく様子が目に浮かぶ気がします笑
それを村下アニキが高らかに歌い上げているところも、なんだかアンバランスなようで、そういう世界観なんだと納得もさせられてしまいます。
管理人の感想(あとがき)
個人的に思い入れがある曲ではないつもりなのですが、ふと口ずさんでいるメロディが何なのかと辿ってみると本楽曲だったということがよくありました。
とても記憶と印象に残りやすいメロディなのかもしれません。
まとめ
今回は村下孝蔵さんの「砂の女」を解説してまいりました。ぜひ皆様もご自分なりの解釈で楽しんでみてくださいね☆
他の楽曲解説もご覧になりたい方は、歌詞全文下部↓のリンクへどうぞ。(直近の解説楽曲は「平凡」でした)
砂の女【歌詞全文】
砂にまみれた長い髪
洗い流した海の音
打ち上げられて濡れている
壊れた舟は僕の胸
始まりと終わりだけならば
大人の恋をしたよ
甘く静かな時の波に
おぼれかけたのさ
流された 僕一人が
あきらめたような海風と
冬に静かに沈み込む
五線紙通りの旋律で
夜と語るさ 一人きり
始まりと終わりだけならば
大人の恋をしたよ
強く大きな海の底に
おぼれかけたのさ
流された僕一人が
助かった君一人が
(作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生ー1987年10月21日)
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ここまでお読みくださってありがとうございました!
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