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村下孝蔵さんの9thシングル【かざぐるま】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞

村下孝蔵 かざぐるま アイキャッチ
おうじゃ(管理人)
(記事内にプロモーションを含む場合があります)



村下孝蔵さんを昔からご存知の方も、新たに出会った方も、ようこそいらっしゃいました!

当記事では、先日解説した8thシングルB面「似顔絵」、順番を前後して取り上げた遺作「引き算」に続いて、9thシングルA面「かざぐるま」を解説・鑑賞してまいります。

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参考:村下孝蔵さん楽曲解説特集🎸

当サイトは非公式のファンサイトであり、ファンの皆様がご自身なりに楽しめる場を提供することを目的としています。同時に、村下孝蔵さんの全楽曲、とりわけその歌詞の意味や世界観を解説することを主たる目標に掲げています。

⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら

ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

↓↓↓

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村下孝蔵さんの9thシングル【かざぐるま】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞
村下孝蔵さんの9thシングル【かざぐるま】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞

(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)

⇒「踊り子」など代表曲はこちら

もちろん個人的な解釈であり、味わい方ですので、皆様が村下さんの楽曲を鑑賞する際のひとつの参考となれたならば幸いです。

それでは、早速「かざぐるま」の解説に入っていきましょう!

下部に歌詞全文を用意しましたので、適宜ご利用くださいね。

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🎵 当記事の著者について

当サイト管理人

新おうじゃ

名前 / Name  
おうじゃ 

職業 / Occupation
生来詩人、お米賞味マイスター、歌詞解説・鑑賞家、福話術者(家庭教師も兼業)

実績 / Achievements
生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。
姉妹サイトではシティポップの楽曲解説や、自身の生活の中で頂いたお米の銘柄の特徴をレビューしつつ【福話術】と題したあらゆる人の心に寄り添う記事を執筆、分野を開拓しています。

(姉妹サイト「おうじゃの福眼」プロフィールページへ遷移します)

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『かざぐるま』所収

“かざぐるま”

叶わぬ恋と決めつけても
あきらめきれないよ
どうにもならぬと はじめから
知っていたのに

解題

自分の気持ちがどうにもならないことを、踊ってみせながら自分自身で味わっているかのようなイントロから開始する本楽曲。

比較的ポップな音楽を持つ楽曲で、基本的な場面設定としては、想いを寄せた男性に対して女性が自分の胸の内を語りかけているというものですね。

歌詞における言葉遣いは女性が語り手であることを示唆していると見えますが、そうかといって必ずしも女性に限られているというほどでもない、ちょうど絶妙な言い回しが採用されています。

ある暑い夏の日、女性は男性への想いが急激にこみ上げてくるのを感じます。

村下さんが得意とする関係性ですが、二人の恋は「叶わぬ恋」であって、女性も頭では何度も決して結ばれることはない「と決めつけても」いるのです。

けれど、わずかでも男性の声を聴いたり、話が耳に入ってきたり、姿を見かけるようなことがあれば「あきらめきれないよ」と女性は一人で唇をかんでいます。

不倫の関係にあるのかどうか、確かなことは分かりません。もしかしたら、男性にはすでにステディなお相手や、結婚しているお相手が存在するのかもしれません。

そんな男性の幸せを願ってもいるがゆえに、女性としては「どうにもならぬと」この関係の「はじめから 知っていたのに」、自分の気持ちを整理することなどできません。

かざぐるまが音をたててる
カラカラ響いても
風がやんで止まったあとは
色がわかれる

男性と一緒に過ごしているときは、二人はまるで「かざぐるまが」ひとつになって、何の懸念もなく楽し気に「音をたててる」かのようです。

このときだけは女性の笑い声も「カラカラ」と軽やかに「響いても」、男性との時間が終わり二人の間に吹いた熱い「風がやんで」かざぐるまが「とまったあとは」、完全な他人のようにその「色がわかれる」のですね。

折り紙でかざぐるまを作ると、内側の色と外側の色が必ず二つ正面に出てくるように折り上がります。この二色を二人の関係に喩えているといえるでしょうか。

女性は、男性との時間が終わらないでほしいと願うあまり、

夏の海に抱かれるように
何故に飛び込んでくれない

常々思ってしまう気持ちを口にします。

男性も自分のことを愛してくれているならば、男も女もみんな押し流してしまう「夏の海に」すべて手放して「抱かれるように」、「何故に」私のところへ「飛び込んでくれない」の……?

どうしてこんな宙ぶらりんの関係をずっと続けることを、あなたは選んでいるの……?

ああ すべてを捨てて
あなた奪えるなら
もう何もいらない
思いのままになれば

しかし、女性は面と向かって男性にそれを言うことはできません。

このことについては何度も話し合いましたし、複雑な心境なのですが、女性の方も男性をまるきり独り占めしたいというわけでもないのかもしれません。

だから、女性は一人のときに心の中で叫ぶしかないのです。

「ああ」自分の生活も何もかも「すべてを捨てて」、一緒にいるときだけ見せる優しい顔をした「あなた」を「奪えるなら」、他に「もう何もいらない」。

自分でも何を望んでいるのか、もはや分からなくなりそうだけれど、とにかくあなたと「思いのままになれば」それだけで……。

実らぬ恋とわかってても
離れていられない
涙をこらえて暮らしていても
あなたはそこに

女性も、これまで何度もこの関係を解消しようと考えてきました。先がない関係を継続していても、お互いのためにならないから。

とはいえ「実らぬ恋と」はっきりと「わかってても」、やはり男性と距離を置いて「離れていられない」自分も存在しています。

いくつかの出来事や、男性の語る言葉の端々などから、どうしても二人が結ばれることがないという厳然たる事実が迫ってくるたび、女性は「涙をこらえて暮らして」います。

そうしてい「ても」、男性はそんな女性の気持ちを知ってか知らずか、いつものように「そこに」いて逢瀬のときの顔をしています。

線香花火 闇の中でも
キラキラ輝いて
だけど燃えつきてしまったら
落ちてゆくだけ

女性にとっては、二人の関係はしばらく前から暗闇の中でもがくようなものでした。

ともに過ごす時間の刺激、美しさはまるで「線香花火」のようで、先行きの見えない「闇の中でも」それ自体が「キラキラ輝いて」二人の顔を照らしています。

いつの間にか、女性が男性の顔をはっきりと見ることができるのは、この暗闇の中(行きどまりの関係性において)だけになってしまったかのようです。

「だけど」ひとたび線香花火が「燃えつきてしまったら」、男性の顔も自分の顔も分からない暗闇の中へ消えて「落ちてゆくだけ」です。

夏の夜に魅せられても
何故に星に届かないの

女性は表情の見えない男性を見つめて思います。

二人ともこれほど「夏の夜に」熱く「魅せられても」、「何故に」この広い夜空で自由に輝く「星に」その想いは「届かないの」だろうか。

私があなたを想う気持ちの強さは、二人をこのまま空へ押し上げて星座にしてしまいそうなくらいなのに。

ああ あなたをつつむ
風になれるのなら
今 二人の心
くるくるまわしたいよ

あふれ出る想いを抱えて、女性は心から願います。

「ああ」始まりも果てもなくなってしまった関係にある「あなたをつつむ」熱くやさしい「風になれるのなら」、「今 二人の心」をもう一度「くるくるまわしたいよ」……。

そうすれば、すべてを忘れてまた一緒にひとつになることができる。

*くりかえし

こうして、女性はこれまでもこれからも何度も「*くりかえし」てしまう言葉を今日も重ねています。

いいなずけ」と同様、明らかに運命的な出会いを果たした二人が、社会的な境遇と相容れずに苦悩する様子を上手に描いた名曲ですね。

聴きどころ

全編を通じて村下さんの楽曲の中でも相当にポップな部類の音楽なのですが、内容的には前シングルB面の「似顔絵」にも通じるような行きどまり感が満載の楽曲です。

伸ばすメロディも多く、村下さんの美しい声がなんとも言えずこの世界観を形作っていますね。

じっくりと聴き込んでいくと、どこかヨレヨレの女性の姿も浮かび上がってくる感じがするのも面白いところでしょう。

かんむりちゃん
かんむりちゃん

「淋しい時程よく笑える」(「90ページの日記帳」)という雰囲気とどこか通じるものを感じます。

管理人の感想

個人的には「かざぐるま」という風物を使って、いかんともしがたい男女の関係を見事に喩えているところに感銘を受けました。

こういう比喩がうまいのも村下さんの特徴で、そのワードで映像や世界観が目の前に浮かんできやすいので、結局PV不要という現象が発生するのですよね(笑)

本楽曲については、一見明るい曲なのかと錯覚させる感じもすばらしいです。というより、明るい気持ちで聴き終えることができる点がすばらしいというべきでしょうか。

それでは、皆様もご自身なりの味わい方で、ぜひ「かざぐるま」を堪能なさってくださいね☆

かざぐるま【歌詞全文】

叶わぬ恋と決めつけても
あきらめきれないよ
どうにもならぬと はじめから
知っていたのに

かざぐるまが音をたててる
カラカラ響いても
風がやんで止まったあとは
色がわかれる

夏の海に抱かれるように
何故に飛び込んでくれない

*ああ すべてを捨てて
 あなた奪えるなら
 もう何もいらない
 思いのままになれば


実らぬ恋とわかってても
離れていられない
涙をこらえて暮らしていても
あなたはそこに

線香花火 闇の中でも
キラキラ輝いて
だけど燃えつきてしまったら
落ちてゆくだけ

夏の夜に魅せられても
何故に星に届かないの

ああ あなたをつつむ
風になれるのなら
今 二人の心
くるくるまわしたいよ

*くりかえし

(作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生ー1986年4月21日)

この歌詞全文の引用は「かざぐるま」の魅力を解説するため、および閲覧者の方々の便宜のための必要によってなされたものです。

関連記事ーその他村下さん楽曲解説・シティポップ等

ここまでお読みくださってありがとうございました!

村下孝蔵さんには他にも素敵な楽曲がたくさんあります。

当サイトでこれまで取り上げた楽曲を改めて掲げておきますので、お時間のあるときにぜひ遊びにいらしてくださいね

(参考)毎日ココロ、ほぐれてく
【ふんわり対話学苑】

村下孝蔵さんとは一切関係のない内容ですが、当サイト管理人が運営しているYouTubeチャンネルがございます。

もしよろしければ遊びにいらしてくださいね☆

改めまして、ここまでご覧くださってありがとうございます!

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